【福祉のカタチ】とある高校生が見据える未来②
命と向き合う “福祉のカタチ”

前回の投稿はこちら【福祉のカタチ】とある高校生が見据える未来① | Web版「ごーごー★ちいき」
人や地域と繋がり、ネットワークを拡大させていく北郷さんは「課題」に直面しました。
限られたスペースでの飼育は、ニワトリ同士の喧嘩や 密閉空間によるストレスといった課題が起こるのだ、と。
それによって、ある思いが浮かびました。
「ただ飼うだけでなく、動物が生き生きと過ごせる環境を作らなければならない」
この気づきが「動物福祉」という、新たな視点を知るきっかけになったそうです。
「食べない」ではなく「生き方を良くする」
「動物福祉」と聞くと、肉や卵を食べない「ヴィーガン」を連想する方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、北郷さんが実践する「動物福祉」は「アニマルウェルフェア」の理念に基づいています。
日本では「ケージの中で効率よく卵を産んでもらう」という考えが主流ですが、北郷さんは「3.3平米(約1坪)という空間に3~4羽のみ」という世界基準の環境を整えています。「お肉も卵も感謝していただく。その代わり、生まれてから食べられるまでの期間をストレスのない環境にして動物達の生き方を向上させよう」という考え方です。
そんなストレスの少ない環境で育った卵は、黄身が箸で持てるほど丈夫になるそうです。


命の再雇用 – セカンドキャリア –
現在、北郷さんは様々な取り組みを実践しています。
その中で特筆すべきなのは、ニワトリが地域の課題を解決するということです。
本来であれば、産卵率が7~8割落ちた生後1~2年のニワトリは「効率が悪い」と判断されて、食用にされる実態があります。
そんなニワトリに「命の再雇用(セカンドキャリア)」として新たな役割を担ってもらおうと考えたそうです。
高齢化に伴って「草刈り」は人間にとっての重労働となり、耕作放棄地が増加しています。
そんな現状を鑑みて、「草刈り」をニワトリに解決してもらう「チキントラクター(移動式の鶏小屋)」を考案しました。
これにより、①ニワトリは雑草や虫を食べられる、②人間は草刈りが不要になる、③草刈り機が不要になるためCO2が削減して環境がよくなる、という誰にとってもウェルビーイングな状況が生まれました。
「可哀想だから助ける」のではなく、私たちがニワトリの環境を整えて、ニワトリが私たちの暮らしを助けてくれる。
「環境や居場所を整えることで、互いが力を発揮して支え合う」
この対等な関係性こそが、「地域福祉」の考えと一致しています。今回の記事ではニワトリに焦点が当たっていますが、共に生きるという視点こそが “誰もが役割を持って助け合える地域” に繋がると言えます。

動物福祉という視点から、地域の未来をデザインし続ける北郷さん。
次回は、チキントラクターが地域を巻き込み、どのような広がりを見せるのか取材します!

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