【姫城】地域食堂「イロトリドリ」
顔を見て挨拶ができる場所
「あっという間の5年間でした!」と振り返るのは、「イロトリドリ」の責任者を務める池﨑 眞樹さん。農家や企業から提供される食材は毎回違うので、メニューを考えるだけでも大変だそうです。「社会問題を解決するためとか、そんな大きな目的で地域食堂を開催しているわけではありません。自分たちにそんな力はありません。地域の皆さんが月に一度顔を合わせて挨拶できる場所。そんな当たり前のことを大切にしているだけです。」と池﨑さんは語ります。
池﨑さんをサポートするのは、姫城地区民生委員の谷口郁代さん。「代表の池﨑さんにも遠慮なく意見を言うし、ボランティアの皆さんも思うがままに活動しています。でもそれが長続きの秘訣かも。」と満面の笑みで語ります 。
地域食堂を始めたキッカケは、池﨑さんご自身が勤務するNPO法人「あした」(就労支援事業所)利用者の切実な声からでした。「地域の方がたとつながっていないと、災害や事故があった時に障がいのある自分たちは取り残されてしまう…。」障がいがあるけど、もしもの時のために地域とつながっていたい。その方法が、当時脚光を浴びていた「子ども食堂」でした。
障がいのある利用者から相談を受けた池﨑さんは、当初大反対だったそうです。障がいのある当事者が、子ども食堂を継続的に運営することなど到底無理なのではないかと不安が先立ちました。背中を押してくれたのは、やはり地域の方がたでした。日ごろから利用者に挨拶、声かけをしてくれていたご近所の皆さんが、積極的に協力を申し出てくれたのです。
地域食堂開催日の前日に、NPO法人「あした」の障がいのあるメンバーが、集まった食材を切ったり、皮を剥いたりして下準備をします。当日は朝から地域ボランティアの皆さんが下長飯自治公民館で調理をして、お昼に間に合うように運営・販売・配達を行います。障がいのあるなしに関わらず、メンバーそれぞれができることをもち寄って、「子ども食堂」から少しずつ「地域食堂」へと変化を重ねて、現在のかたちに至ります。
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